ステアリングが抜けたっ。漂々としたドラゴンの武勇伝②
漂々としたドラゴンの武勇伝
ドラゴンという男
とりあえずブックマークすると後でゆっくり読めまーす。
コメント無しでも嬉しいな。
普通にそこらへんに居そうなやつ
ドラゴン(♂)は、イケメンとは言えなかったがスリム体形だった。
黒ぶちメガネを時々外して磨く姿は、どこかIT系のインテリジェンスにも見えた。
会話は一呼吸置いて返ってくるような、物静かな男だった。
ある日の帰路
あー、今日も疲れたぜー
ドラゴンが車ディーラーに勤務してた頃。
ある日の片側三車線の大通り。
彼が500メートルもある直線道路を直進していた帰路、自社の車検から帰ってきたドラゴンの愛車スッテップバンは、すこぶる快調だった。
真ん中二車線を快走していた彼の車は、車線変更しようと左ウインカーを出した。
チッコンチッコン。
すぽんっ!
パニック
こりは何で、俺はナニの何してナニ? 舌も回らない事件が勃発。
突然、
彼は思わず取れたハンドルをガンっ、ガンっとはめ込もうとする。
ダメだ!入らない!
ドラゴンの神対応
彼は瞬時に三つのミラーを確認しながらハンドルを投げ捨て、ハザードを点けた。
アクセルから足を離し、ブレーキは踏まない。
2秒も経過!
クビチョンパされた操舵装置の軸を握りしめ、ジワーっと左へ回す。
ジワーっと全精力で回す。
床も抜けるかと踏ん張って回す。
「まっわれー!」
手に汗握るも、重すぎてジワーっとしか回らない。
チッコンチッコン、真ん中車線でハザードを点滅して何となく左へ寄る怪しい車。
幸いにも、左車線の後続車も減速して見守ってくれていた。
ミルカラニ、ボログルマダシー。(*´▽`*)
路肩につけることができたステップワゴンのハザードランプは、生還を祝っていつもの倍は輝いていたように思われた。
チッコンチッコン✧✧チッコンチッコン✧✧
ドラゴンのつぶやき
まー、俺の会社のすることだから、あるよなー。たぶん、あいつだなー。
遠回しに脅して、何か驕らせよう。
おわりに
修理工場から帰ってきた愛車は、自己責任で色々点検しましょうね。
用語の解説
クビチョンパ | 首チョンパ。斬首のギャグ。トンボ鉛筆のモノブランドで往年のドリフターズキャラで作られた変態筆記具もあったなー。このクビチョンパメンバーには、志村けんは見習い期間のため、まだいない。 |
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ハザード | ハザードランプ。ウィンカーが全て同時のタイミングで点滅し緊急事態を周囲に知らせるランプ。サンキューハザードとかいう「道を譲ってもらった時の感謝の気持ちを表示する」という間違った使い方が日本では横行している。切株おやじもサンキューハザードの常習者。 |