お客さん、やめて下さいっ!【変な奴シリーズ】
お客さん、やめて下さいっ!
grace7777minoriさんによる写真ACからの写真
どっちがどっち?
とりあえずブックマークすると後でゆっくり読めまーす。
コメント無しでも嬉しいな。
うなぎ釣り屋での事件
うなぎ釣り屋という商売
切株おやじがアルバイトしていた夜のアクセサリー屋の左隣は花屋で、その何軒か先はウナギ釣り屋だった。
生きたウナギが10数匹、畳1枚位の水色の水槽の底でまったりとしていた。
そのウナギを釣らせる商売。ワケガワカラン。
釣った客は、釣ったウナギをどうするんだろうといつも不思議に思っていたが、所詮、酔っぱらい相手の商売。今でいうUFOキャッチャーみたいな感覚? だったのかも。
店を守っていた店長は、いかにもその筋の息がかかっていそうな細身のお兄さんだった。
助けを求める声
大声が響いた。
「お客さん、やめて下さい!」
アクセサリー屋の前で
「お客さん、やめてくださいっ!」
「お客さん、やめてくださいっ!」
不自然でアクティブな大声は続いた。
逃げていく客
客と向かい合った店長は、客の後頭部を両手で抱え込み、前かがみになった客に膝蹴りを浴びせていた。
「お客さん、やめて下さい!」の連呼に合わせたガチの膝蹴りが客の腹にめり込む。
客はやっとのことで店長を振り解き、アタフタと逃げて行った。
店長はフーフーと肩で息をしている。
唖然とする俺らに気づいた店長はポリポリと頭をかき、パタパタと肩を払う。
「いやー、危ないところだった。」
どっちがーっ!
おわりに
加害者が「助けてー!」と被害者を装いながら、被害者を痛めつける手法があるんだ。と、業界ならではの事情を実感した事件でした。ポリス降臨の際の目撃者対策を体に染み込ませたサスガな店長でした。