オパールの虹色には色素がないのです。 10月の誕生石はタピオカ似かも
オーストラリア産ホワイトオパール
オパールのお話
マツ&マド (id:toypoo_camper)さん、おおまめ (id:oomametomame)さんよりリクエストがございましたので、オパールをイッパツ。
オパールの虹色
オパールの虹色には色素が無い
赤や黄色、青に緑に紫。妖艶な色を炎のように煌めかせるオパール。オパールが放つ色を「ファイア」と言います。まさに炎です。日本語では「遊色」と表現します。
この、なまめかしい色は実は幻の色でもあります。無色透明の雨粒に陽光が当たって虹が見えるのと同じ現象が、オパールの中でも起こっています。
「遊色」との表現の通り、色がその場所に留まってくれません。光源の位置や見る角度で、同じ場所の色が遊び回ります。右目と左目でも見える色が違ってきます。これが色が立体的に見える真相です。クレジットカードの偽造防止のホログラムペイントも似ていますね。
オパールの組成
オパールの成分は、二酸化珪素(SiO₂)で水晶と同じです。水晶のような結晶ではなく水に溶けた二酸化珪素の顕微鏡レベルのミクロの粒が沈殿して生成されます。ミクロ水晶(シリカ)の粒自体は硬いのですが、目に見えないくらいの小さな水晶をオムスビみたいに握った形状なので、個体としては脆くなります。
オパールに色が出る訳
水中で目に見えない小さな小さなシリカの粒が、長い年月をかけて降り積もります。
シリカの粒は大きさが均等ではありません。大きめのシリカの粒が集まって沈殿した箇所は、赤色を反射します。中くらいの粒は黄色を、小さな粒は青色を返します。それぞれの中間の大きさの粒が、オレンジ色と緑色を作ります。反射ですので角度と光量で、見える色が変化します。
青色はどの石にもよく出ますので、鮮やかな赤色が出る石は虹色全てを発色でき、高価になります。宝石の価格はしばしば売り主の主観に左右されますので、お金に困っていない売り主の場合、最高級品については「買えるものなら買ってみろ」という強気な価格をつけてます。で、買えるから買うのが本当のセレブで、こういう人種は自分からは値切りません。
オーストラリア産ブラックオパール
オパールの取扱の注意点
オパールの硬度
オパールは、その美しさ、希少性からまぎれもなく宝石ですが、耐久性に少し難があります。硬さの世界ランキング、モース硬度では5~6.5です。オパールはガラスと同じ位の硬さで、そこらにある砂埃は硬さの世界ランク、モース硬度7なので負けちゃいます。埃がついたまま乾拭きする度に、見えない微小なキズが入り続けるのです。
オパールは乾燥注意
オパールはその生成過程の事情から、微量の水分を含みます。宝石用にカットする前に原石の自然な乾燥割れを気長に待ち、もうこれ以上乾燥してヒビが入らない所まで乾かしてからカットします。商業ベースに乗せる期限がある場合、乾燥を十分待たずに焦ってカットされると、宝石になった後に割れるという粗悪品ができる場合があります。
オパールの保管場所は、直射日光が当たる場所は厳禁です。出来ればコップの水をオパールの隣に置いて欲しいのですが、引き出しの中では現実的ではありませんね。
オパールの産地
オーストラリアとメキシコが有名ですが、世界中で産出します。
オーストラリア産は一般的なホワイトオパールと、暗めで色が鮮やかなブラックオパールが採れます。メキシコ産は透明度が非常に高く、色が石の中につかみどころがなく浮いているのが特徴です。地色が無色のウオーターオパールと、地色がオレンジのファイアオパールがあります。
メキシコ産ウォーターオパール
メキシコ産ファイアオパール
植物がつくるオパール
植物が造るオパールがあります。小さすぎて肉眼では見えませんので宝石にもなりません。プラントオパールと呼ばれます。
代表的なのは砥草と呼ばれる、葉っぱの無い竹に似ている深い緑色をした植物です。トクサは地中の水分からシリカ成分を選んで幹肌に固定できます。このシリカを含んだ樹皮は天然の紙やすりになります。磨きアトに艶が出る最終仕上げ用で、柘植のクシや、塗装前の漆器磨きにも使われます。トクサで爪を磨いてる人は、セレブです。
おわりに
トクサを書いてる時にふと思い出したのがトグサでした。思い付きとは面白いものですね。
オパールとは 関係ありませんけど、トグサのこだわりが激しいとこがいいですね。
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