車検を通す。生ガスでアウトっ! コミック「サーキットの狼」書評
車検を通す
これは10年前の出来事です。
車検を通せ
車検の期日が迫る
660cc三気筒のスズキワゴンR。車検の期日が迫ったある日。
車検はいつも弟に頼む。弟は整備士の資格こそ持ってないものの、車の車検から修理調整、板金塗装までこなす変人。愛車を弟に預け、安心していると突然連絡が入る。
車検、通らんかった。排ガスに生ガスが出てるぞ。
Σ(゚д゚lll)ガーン
そう言われてみれば、毎日ガソリン臭くもある。ラリりそうなガソリン臭さも、エンジンを始動したばかりだからだろうと軽く考えてたが、どうもそうでは無かったらしい。
車検の期日が過ぎる
なんだかんだしてるうちに車検の期日が切れてしまった。弟の愛車、丸目のTODAYを借りてるので俺は通勤には困らないが、車が無い弟が可哀想。まー、弟はバイク通勤してるから救いもあるけど。
車検が切れてしまうと車検場に自走しては持ち込めなくなる。これは大変だ、キャリアカーなんてチャーターできんし。
チッチッチ、弟の人差し指はメトロノームを一瞬真似た。
仮ナンバー、取るからいいよ。
仮ナンバー?
ほら、サーキットの狼でみんなが付けてたあの赤の斜線入りのナンバーさ。
おー、あれかー。カッコイイなー。
仮ナンバーとは、修理工場と車検場の往復のみ運転できる、車検切れ車の免罪符だ。
おいおい、サーキットの狼に出てたあいつらはどう見ても車検場との往復には見えんかったけど。
弟の診断によって、排ガスに生ガスが混じってるのは3気筒のうち1気筒が異常燃焼していることが原因だと分かった。火花は飛んでるし、原因はエンジンをバラしてみないとわからん。ということで、修理は簡単にはできないことが判明。
車検~(つд⊂)エーン
コミック サーキットの狼
池沢さとし先生により「週刊少年ジャンプ」に連載された作品。スーパーカーブームの火付け役となったことで有名ですね。ロータスヨーロッパを駆る風吹裕矢とトヨタ2000GTを操る隼人ピーターソンの立ち位置は少年漫画の王道のようです。ところで、ロータスヨーロッパのフロントスタビライザーは壊れすぎ。と、思ったのは俺だけでしょうか。笑
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車検を通す
二日後。
車検、通ったぞー。
うっそっ、早っ!
ナンバープレートはもとの黄色がちゃんとついてる。
修理は、これからさ。
修理もしていないのに車検が通った訳は、生ガスを出していたシリンダーの燃料噴射を止めて殺し、三気筒の車を二気筒のみで車検に臨んだようだ。おかげで、排ガスは基準をクリアし、めでたく車検合格とあいなった。
検査官は、音が変だなと独り言を言ったそうだが、受かりさえすればこっちのもの。ありがとー!
修理
数日後、俺の休日に合わせてエンジンを開けてもらい、排気バルブの一個が溶けていることが分かった。バルブって溶けるもんなの?運が良い事に、弟のパーツのストックの中に同年式のワゴンRのバルブがあり、その場で修理が完了した。
て、スプリングコンプレッサとか持ってるのね、驚き。修理費用はシリンダヘッドのガスケット代3000円ちょいだけで収まり、弟に大感謝。
おわりに
弟は整備士の資格こそ持ってないものの、車検から修理調整、板金塗装までこなす変人。兄弟っていいな。
用語の解説
三気筒 | 混合気(ガソリンを混ぜた空気)を爆発させる筒が三本あるエンジン。フェラーリなんかは12本もある。 |
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キャリアカー | 車を荷台に載せて運ぶトラック |
生ガス | 燃え損なったガソリン混じりの排気ガス |
シリンダー | 気筒のこと。注射器みたいに中をピストンが往復する。 |
バルブ | シリンダーヘッドというエンジンのフタにある混合気を吸い込み燃えた排気ガスを捨てる穴を開け締めする栓。 |
スプリングコンプレッサ | バルブを閉めるための超強力なごっついバネを、力任せにねじ伏せる工具 |
ガスケット | エンジン本体とエンジンのフタの間に敷く漏れ止めシート |