遭遇した危ない生物 毒蛇ヤマカガシ
遭遇した危ない生物
遭遇した毒蛇
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コメント無しでも嬉しいのだ。
ヤマカガシ
K.M=KARIBITOさんによる写真ACからの写真
小学生の頃、高度成長期での全国一斉の造成工事が始まる少し前、家の前には田んぼが広がっていた。畔には雑草の中にギシギシが威張り、田んぼの中には舗装されていない用水路が横たわって半透明の水を湛えていた。用水路の底には乾季に備え石垣で組まれたツボと呼ばれる大穴が点在していた。
フナやメダカ、ウナギにドジョウ、ゲンゴロウにミズスマシ、アメンボにトンボ、アカベコと呼んでいたイモリ、昭和の天然淡水水族館だった。
ゲコゲコ。蛙はたくさんいた。俺らはドンクと呼んでいた。
そして、地元でドンクトリと呼んでいた横腹にオレンジ色の模様がある蛇も出没していた。ヤマカガシだった。
ヤマカガシは1974年に有毒種と認定されたが、当時は毒の無い蛇と認識されていた。ヤマカガシの毒は食べたヒキガエルの毒を濃縮利用して奥歯に仕込まれており、奥歯でがっちり噛まれないと発症しない為、長年の間、学者にも気づかれなかったようだ。
ヤマカガシを捕まえる
ヤマカガシを見つけると、いつもワクワクした。
爬虫類独特の造形美に加えて、セクシーな動き。捕まえた時の征服感。子供は概ねドSである。
いつもわりと草むらに居た。足で踏む。早く優しく踏む。首の近くを踏む。
蛇は鎌首をもたげかけて、辺りを見まわす。
噛まれないように、足で踏んだ所からスーっと顎の付け根まで優しく手を滑らす。
上あごと下あごの付け根の関節を、左右から親指と人差し指でつかんで蛇の口を半開きにして抑える。
制圧した。
押えた足を離し、掲げる。体をつづら折りにくねらせる蛇。
暫く愛でて、畦に放つ。
毒蛇とは知らないからできた愚行だった。成人してから聞いた「ヤマカガシは実は毒蛇だった。」というニュースに、愕然とした記憶が蘇る。
おわりに
村の全員が毒蛇とは認識していなかったヤマカガシ。無知とは怖いものですね。
そういえば、うちの集落ではヒキガエルを目撃したことがありませんでした。ということは、うちの近所のヤマカガシは無毒だったのかもし知れませんね。