バッテリー上がり事件簿 車はムチで打たれた。小説「信長の弟」書評
バッテリー上がり事件簿
これは10年前の出来事です。
ショッピングビルでのバッテリー上がり
予兆
休日の爽やかな午後。駅ビルに用事で向かう国道の流れはスムースだった。
黄信号は止まれだが、速めの流れの中、大きな交差点にはあまりにも近づきすぎていた。前後を車に挟まれたまま、黄信号を何事も無かったように通過する。
何気ないよくある状況だが、知らない誰かが俺を叱る。
カンッ!車の腹を叩かれた?
硬い何かで床を下から叩くような大きく響く金属音に一瞬固まり、ルームミラーで通過した路面を見るもそこには何も見つけられなかった。
駅ビル
駅ビルの駐車場は込み合っていた。
ぐるぐると回らされ、駐車できたのは駐車場の4階。ふう。用事を済ませて来よう。
エンジンがかからない
辺りも薄暗くなり入道雲もシルエットに変わる頃、用事を済ませ車に戻る。
キーを差し込み、セルを回す。キュル、キュ、沈黙。
うっそー。もっかい、キュル、キュ、ン。ン。ン。
エンジンがかからない。さては、どこかランプを消し忘れていたか?いや、車に戻った時、かなり暗かったが灯りの気配はなかった。
心当たりはないが、明らかにバッテリー上りだった。
エンジンをかける
ブースターケーブルを積んではいるものの、知らない誰かに助けを頼めそうにもない。
狭いぐるぐる駐車場の4階までJAFを呼びたくもない。何より、次の待ち合わせまで時間がないんで、JAFなんか待てない。たった一人で駐車スペースから強引に出して押しがけできる体力もない。最後の手段、充電済みのバッテリーと交換しよう。
幸い、駅前にはガソリンスタンドがあった。新しいバッテリー手に入れ、薄暗い駐車場で怪しげに動いたおっさんは、なんとか脱出できた。
自宅
用事を全部済まし、自宅へ戻ったのは午後8時を回っていた。
空のままではイカンと思い、交換して外したバッテリーを充電器につないで充電する。めんどくさい一日だった。
翌朝、出勤のため車に乗ると、またエンジンがかからない。
昨日交換したばかりの新品バッテリーが上がっている。慌てて昨夜充電した古いバッテリーと交換して出発。俺は狙われている?
不安なので空になった新品バッテリーと充電器も車に積み込む。なんとか、遅刻は免れた。
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職場
出勤してすぐに、充電器に昨日購入した新品バッテリーを繋いでみる。
電圧は激下がりしていたし、帰りが心配なのでそのまま充電器につないでおいた。退社時、念の為バッテリーを交換する。
俺の愛車はどうなってしまったんだー。
また、オルタネータの故障かー。ドック入りを覚悟した。この日を境に一週間ほど、毎日、朝夕二回のバッテリー交換は続いた。ソレデノレルンデスモノ。
頼りになる弟
弟に愛車を見てもらうと、オルタネータベルトが切れて無くなっていることが判明。
そうか、あの時、車の腹を鞭打って飛んで行ったのはベルトちゃんだったのね。
弟は整備士の免許こそ持ってないものの、車検から修理調整、板金塗装までこなす変人。
弟から、ここでベルトを買って来いと言われた部品屋さんへ行き、500円ちょいで新品のオルタネータベルト2本を購入。弟が取り付けてくれた。
兄弟っていいな。
小説 信長の弟
ズル残業を決め込んでいたサラリーマンが、居眠りの隙に戦国時代にタイムトリップして、命がけで生き延びる策を巡らす物語。生まれ変わったのは殺されるハズの信長の弟、織田信行であった。読者の五感に届く描写と、現代の企業戦士が知力と機転で問題を解決していく様は、どこか心配で痛快でもあります。(*´▽`*)
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おわりに
車の不調は突然来ることがありますよね。予期せぬ出来事が起こった時に、どう対処できるかが人の値打ちを決める。まー、いつも結果オーライなんですけど。