「漆(うるし)ペン」という専門道具。漂々としたドラゴンの武勇伝③
「漆(うるし)ペン」という専門道具
仏具店にいたドラゴン
とりあえずブックマークすると後でゆっくり読めまーす。
コメント無しでも嬉しいな。
普通にそこらへんに居そうなやつ
スリム体形のドラゴン(♂)の、「ふふん」という鼻で笑う態度は嫌いじゃなかった。
黒ぶちメガネは似合っていたが、外した方がいい男だった。
会話は一呼吸置いて返ってくるような、物静かな男だった。
仏具店に勤務のドラゴン
ドラゴンは仏具店で働いていた。
なんか場違いな職場だなと思った。
しかし、どこか問題がある人間かもしれないが、根が真面目で暗い彼にはピッタリかもしれなかった。もの静かな男だったから。
雑談
雑談
「仕事、忙しいだろー?」
「あー、ずっと忙しいぜー。」
「頑張ってるみたいだなー。」
「ぜーんぜーん。」
「大変なこともあるんだろーなー。」
「大変なことはないぜー。楽勝、楽勝。(笑)。そう言えばさー・・・。」
業界の裏話
「ここだけの話だけどさー、
「漆ペン?」
「そー、漆ペン。仏壇を運ぶ時にさー、当てちゃう時があるんだー。柱にちょこっとコンっとかさー。」
「おうおう。」
「でね、そん時ついちゃった分かるか分かんねーくらいの小傷がねー、ちょこっと見える時があるんだけどさー、そこをウルシペンで修復するんだー。」
「漆のペンって凄げーじゃん。」
「だろー、どうかすると100万円越える高っけー仏壇だからなー。大事にしないとな。これが漆ペンさー。」
ドラゴンがポケットから取り出した漆ペンを見た俺は、開いた口が開いたままだった。
おわりに
それぞれの業界で、それぞれの創意工夫が世の中を支えて回してるんだなーと実感した瞬間でした。